会社案内は、プレゼンテーションだ。新しい会社案内のつくり方

会社案内の構成要素

あればいいから、なくてはならないものへ。

かつて会社案内は「あるに越したことはないけど」といった程度の認識しかされない時代がつづきました。その理由は、おそらく会社の事業がいわゆる「仲間内」内で発展してこれたからだと思われます。お互いよく知った仲なのですから、なにも会社案内などあらたまったものは必要ないわけです。しかしなければ何か物足りない。ひとつ作って置くか…。ところが企業をとりまく環境は一変しました。

多くのステークホルダー(利害関係者)の登場。

企業は従来からの取引先に加え、株主・顧客・地域社会など、企業は様々なステークホルダーに、企業としての理念や事業の将来性などについての「説明責任」が課せられるようになってきました。埃をかぶった会社案内では用を足さなくなっているのです。また業界を超えた提携事業やアライアンスが日常的になり、会社案内は企業の「概容」を説明するものではなく、企業のプレゼンテーション・ツールとしての性格が与えられ始めています。

会社案内に必要最小限の構成要素とは?

「会社案内はプレゼンテーション」と考えれば、構成・内容はどんなものであってもいいのですが、必要最小限のものは押さえておかなくてはなりません。
  • プロローグ…会社の第一印象を受けもつ大切なページ
  • 企業理念…企業の根本的な考え方/大切にしていること/行動基準など
  • 業務紹介…事業の範囲/成長性/業界における位置など
  • 社員紹介…職場環境/仕事に取り組む姿勢など
  • 組織紹介…会社の組織や部門の関係
  • 会社沿革…会社の歴史を概観する
  • 代表あいさつ…事業の方向性将来性(ヴィジョン)を語る
  • 会社概要…主要取引先/資本金/設立年/住所/地図など
これらの構成要素をいわば「アンコ」にして、具体的な表現は「会社の独自カラー」や「会社の強み」などを強調していくのもプレゼンテーションとして効果的です。
魅せるプロローグをつくる

プロローグに個性を。

表紙を開いた最初のページを、プロローグ・ページといいます。このページはこれ以降のページの導入部となりますから、周到にプランニングすることが求められます。もちろんこのページだけを独立したものとしてつくり、次ページ以降は別の展開になってもいいのですが、いずれにしても会社の第一印象を決める重要な役割を担うことになります。

どんなテーマがプロローグにふさわしい?

会社ごとに社風が違い、おかれている環境や、会社の目標も違うわけですから「これが正解」というものはりません。また時代によってもプロローグに選ばれるテーマは変わって当然です。しかし一般論としてプロローグにふさわしいテーマを上げて見ると、
  • ■ 企業のワールドワイド性を語る
  • ■ 働く社員のいきいきとした姿を描く
  • ■ 先進的な技術が拓く世界を見せる
  • ■ 企業のスケール感でインパクトを出す
  • ■ 企業の理念を具体的に表現する
  • ■ ストーリー性を持たせた会社案内の第一話
などいろいろなテーマが考えられますが、重要なのは「いまなぜ会社案内をつくるのか」「競合他社との違いはどこ?」などをしっかり検討し、何を伝えるのかというコンセプト・メーキングに時間をかけることが欠かせません。

どんな表現手法が効果的?

これもまたさまざまな手法があり、テーマと同じく「正解」はありません。決定したコンセプトを明快にかつ印象的に伝えられる手法を探る必要があります。
  • ■ 実際に撮影した写真を使う
  • ■ レンタル写真でイメージを強化する
  • ■ イラストレーションを使う
  • ■ 写真とイラストレーションの組合せにする
  • ■ 文字だけでインパクトを狙う
それぞれの手法で読者に与える印象は大きく異なります。ここは時間をかけて検討したいですね。
企業理念は「共感とわかりやすさ」

企業理念は会社案内の要。

企業理念とは、商品開発やサービスの提供など、多岐に広がる企業活動のすべてを束ねる扇の要です。なぜそのような商品を出すのか、なぜそのようなサービスを心がけているのか。すべては企業理念が基になります。言葉を変えていえば、「企業活動は企業理念の実現のための実践」なのですね。

たとえば有名な企業理念のひとつに『三方よし』があります。これは江戸時代の近江商人が商売の心得とした理念です。

三方とは「売り手」「買い手」「世間」のこと。三方よしとは「売り手よし・買い手よし・世間よし」というわけです。つまり『私にとっても・相手にとっても・社会にとっても・いい商売しかしません』という約束です。こうした約束(理念)を日々の商売で実践したからこそ近江商人は信頼され、今日に至るまで永く繁栄してきたといえます。

企業理念は会社案内の要となる重要な構成要素です。ここを「共感とわかりやすさ」で表現するとユーザーの企業理解がぐんと深くなります。

固苦しくならず、明快にメッセージする。

企業理念だからといって、会社案内のそこだけ堅い表現にすることはありません。会社案内全体のトーンに合わせて自在にデザインすることが大切です。企業理念のページでおさえておくべき内容は次のようなものです。
■ 会社の使命を伝える
企業活動の目的や、活動を通じて何を実現しようとしているのかを、短い言葉で端的に表現することが欠かせません。
■ ステークホルダーとともにあることを伝える
企業は消費者、取引先、株主、社員、そして社会(地域社会)とのつながりを大切にしているというメッセージを発することが必要です。
■ ロゴなどでシンボリックに伝える
ロゴには企業の歴史や思いがこめられています。このロゴを媒介にして企業理念を語ることも効果的です。

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